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2021.05.19丹波並木道中央公園サイクルステーション

 

 

兵庫県立丹波並木道中央公園において、サイクルステーション設計施工企画提案コンペへ参加しており、当社に決定致しました!

コンセプト等を紹介します!

 

丹波並木道中央公園サイクルステーション

 

丹波の森づくりのこれまで・これから ~未来に向けて

丹波並⽊道中央公園は、「丹波の森構想」に基づく広域レクリエーション、都市と農村の交流及び地域活性化の拠点となる広域公園である。近隣住⺠の間では愛着を持って親しまれ、有効活⽤されているものの、当初のビジョンである「丹波・篠⼭全域の活性化」という⼤きな意味では、有効に機能しているとは⾔い難い⾯がある。
計画敷地を取り巻く公園全体の地形の⽂脈から、公園管理事務所前の円形広場の中⼼を「環」の中⼼点と捉え、サイクルステーションも含めて、公園全体のコンセプトを再定義する。「丹波の夢ビジョン」で⽰されている「いのち(⾃然)・ひと(⼈間)・なりわい(産業)」の3つの「環」を育む公園施設であることに加えて、今回計画されるサイクルステーションが、サイクルツーリズムの推進による地域の活性化の拠点として、『わ(環・和・輪)を育み、広げ、つながりをつくっていく』というコンセプトを建築計画により明確に表現した。コンセプトの強度を⾼めるために核となる幾何学上の中⼼点を据え、同⼼円状に園内のケヤキ並⽊、サクラ並⽊から連続する並⽊道の延⻑に⾒⽴てた回廊を設け、それに沿うように各室を空間構成している。休憩・フリースペースは、樹形をイメージした⽊の架構があらわしになった開放的な空間で、サイクリストの講演や、ウィラースクール(⾃転⾞教室)、フォトコンテスト等のイベントも⾏われるであろう。そうした活動の蓄積が、この場所を中⼼として、年輪のように刻まれ、広がっていくことで、丹波・篠⼭地域の魅⼒が伝播されていく。我々が計画するサイクルステーションも今は⽬に⾒えない⼩さな輪の断⽚ではあるが、この施設が様々なカタチで積極的に有効活⽤されることで、やがて⼤輪の花へと昇華するであろう。その時「丹波の夢ビジョン」は現実のものとなるのである。

 

 

丹波並木道中央公園サイクルステーション

 

 

プロジェクトビジョン

コンセプト

⾵になり、世界とつながる
つながりを育み、広げていく

 

『サイクリング』とは「⾵になり、世界とつながる。」ことである。
『世界』とは、⼈、⾃然、歴史、⽂化、⾷などであり、これらは丹波地域住⺠にとっての資産である。
サイクルツーリズムを推進し、誘客の強化、交流⼈⼝の増加、地域経済の活性化へとつなげていくためには、これらを最⼤限に活⽤し、官⺠協同、地域間連携、政策間連携など、地域が⼀体となった事業展開が必要となるであろう。そのためには統⼀的なコンセプトが明確に⽰されている必要がある。

このサイクルステーション建設のプロジェクトにおいて、我々が提案する計画は、⾃転⾞利⽤者や公園利⽤者の休憩・交流の場という機能を持った単体の施設を建設するだけではなく、公園の存在⾃体を最⼤限に活かし、公園全体から丹波篠⼭市の近隣地域へ、さらには丹波地域全体の活性化へとつながる強いメッセージ性を持った施設をつくることである。
『⾵になり、世界とつながる。つながりを育み、広げていく。』
建築計画によりつながりを可視化し、魅⼒的な空間の構築を提案する。

 

 

丹波並木道中央公園サイクルステーション

 

 

丹波並⽊道のブランディング

⽇本の並⽊は、奈良時代に奈良・東⼤寺の普照法師によって植樹されたのが、最初の並⽊の記録とされる。戦国時代の織⽥信⻑の命により並⽊道の整備が⾏われ、江⼾時代には五街道の主要な街道の整備が⾏われ、並⽊が植えられるようになった。諸侯および家⾂たちの⼤⾏列が、お互いに何の⽀障もなく⾏き交うことができるほどに整備され、松、杉、栗、または桜の⽊々の美しい並⽊道ができていった。そうした古来からのつながりを感じさせるように、丹波並⽊道中央公園もまた並⽊が整備された地域住⼈に愛される都市公園となっている。この『並⽊』、『並⽊道』という特質を活かし、計画の中に積極的に取り⼊れることで、公園全体と新たに誕⽣するサイクルステーションのブランディングを意識した計画としている。

 

 

 

建築により『つながり(連続性)』を可視化する

①環境のつながり
・園内の並⽊道(ケヤキ並⽊・サクラ並⽊)の延⻑線上に沿うように回廊を配置した動線計画

 

②形態のつながり
・公園管理事務所前の円形広場からの円弧の連続による外観デザイン
・並⽊道を模した⽊の架構の連続による空間デザイン

 

③事象のつながり
・サイクリング=⾵の連続
・サイクリングモデルルート『丹波 “兵庫丹波チャレンジ200″』や、『氷上回廊』、『ふるさと桜づつみ回廊』等と潜在的につながる交流路(回廊)の設定

 

④想いのつながり
・円弧の連続によりコンセプトを表現
・丹波の夢ビジョンの継承(過去・現在・未来)
わ(環・和・輪)を育む(⾃然の環・⼈間の環・産業の環)

 

⑤資源のつながり
・県産材を使⽤した魅⼒的な⽊造建築の構築
建物の⽊造化・⽊質化の推進による地域資源の循環(伐採→植林→保育)を促すことは、丹波の森を守ることにつながる。

 

 

丹波並木道中央公園サイクルステーション