公共性の高い大規模木造建築物に要求される耐震性の確保について、吉住工務店は準ラーメンフレームの評定(※)を取得するSE構法を中心に構造検討を行います。
(※)日本国内の建築に関する技術評価や技術開発、調査研究、情報の普及などを担っている建築の専門機関、一般財団法人日本建築センターによる構造評定(評定番号:LW-0020)
頑丈な柱と梁で建物を支えるラーメン構造。木造建築にこの構造を取り入れ、さらに強さを増したのが「耐震構法SE構法」です。
強度や品質に優れた「集成材」で出来た柱と梁を丈夫な「SE金物」で剛に接合することで、構造計算プログラムで検証された揺るぎない強度の骨組みを実現しました。
壁だけで建物を支えるのではなく骨組み全体で建物を支えるので、高い安全性を確保したまま、柱や間仕切り壁の少ない開放的な大空間を実現することが出来ます。
従来の木造在来工法は、柱の過大な断面欠損が接合部の強度を低下させていましたが、耐震構法SE構法では、断面欠損の少ない堅固な接合部を追求。独自に開発した丈夫な「SE金物」で、骨組みの中でも特に外力を受けやすい柱と梁を強固に接合し、優れた耐震性能を実現させています。
阪神淡路大震災の経験から、土台から柱が抜けないように柱と基礎とをSE金物で強固に接合する方法を考案しました。その耐力は、実に従来の工法の約9.5倍(※)。地震など、横からの力による引き抜き現象に対して圧倒的に強い性能を持つ柱を実現させています。
(※)PB36の場合
自然素材の無垢材は強度にばらつきがあります。 そこでSE構法では、使用木材にエンジニアリングウッド(JAS構造用集成材)を採用しました。
素材となる木材の強度を1枚ずつ測定することで安定的な強度を保ち、ねじれ、割裂、伸縮などの問題を限りなく減らします。
SE構法で建てられた建築物の意匠の特徴は、その開放感にあります。柱や間仕切り壁が少ないので、明るい光を室内いっぱいに採り入れる大開口窓や出入り口、吹き抜けや仕切りのない大空間などを高い安全性を確保したまま実現することが出来ます。
さらに大きな長所は、この広い空間を自在に編集出来ること。間仕切り壁の位置を自由に移動させることが可能なので、用途やサイクルに合わせたリノベーションが容易です。