2016年6月にグランドオープンする「里山住宅博 in KOBE」に出展しているモデル住宅です。里山住宅博は、「家」を競い合うハウスメーカー中心の住宅展示場ではなく、木の家専門の工務店が、設計に心を砕き、丁寧に工事を施した26棟の木の家が出展されており、気鋭の建築家、堀部安嗣さん、松澤穣さんらも設計者として参画されています。この街区は、郊外住宅の魅力を取り戻したいという思いのもと、個々の敷地の他に里山トラスト用地が付いており、そこには果樹が植えられ、散歩道が設けられ、街区居住者の共有地として里山の自然に溢れた豊かな暮らしが満喫できるという他の分譲地にはない魅力を持っています。また街区全体の計画は、緑のディレクターとして造園家の田瀬理夫さんが監修されています。竣工時がピークではなく、歳月を経るごとに魅力を増し、25年を経て惚れ直せる家や街へ。そのような思いで緑滴る独創的な街区がつくられており、住宅博終了後は、上津台・百年集落街区として住み継がれていきます。
建物名称 | K-PROJECT(里山住宅博 in KOBE) |
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発注者 | |
所在地 | 兵庫県神戸市北区上津台4丁目 |
用途 | 住宅展示場(個人住宅) |
工事種別 | 新築 |
規模構造 | 木造/2階建 耐震等級2 |
敷地面積 | 199.20m² |
延床面積 | 105.99m² |
竣工年 | 2016年6月竣工 |
備考 | 長期優良住宅 エアパス工法 |
日本の郊外住宅は「ベッドタウン(寝に帰る家)」と呼ばれ、利便性だけが強調されてきました。
今は都心のタワーマンションが人気ですが、住まいとは単に「楽をするための箱」ではないはずです。
そこは、リフレッシュできる場所であり、子どもが大きく育つ場所でもあります。住まう場所としての「郊外」を見直すと、そこに「里山」が見えてきました。
この地の街区は、人が暮らす場所として、建築協定と設計ルールによって、里山の環境が保たれます。
里山は、街区に住む人たちの持分共有地となり、住民で管理を行います。
共有の里山スペースには、季節の収穫が愉しめる果樹五木を植えました。
自然素材は職人の腕がものをいう。
木の家は、自然素材を多用し、職人の手によって造られます。「木は木組み、家は人の心組み」と言われます。
手を尽くす、手間を惜しまない、道具を手入れする、手筈を整える一手は職人その人を現し、一軒の家はそんな職人の心を合わせて造られるのです。