神戸市北区の街区に「小さな森」と「素敵なコミュニティ」が生まれるような分譲地のディレクションを行っています。 人が住まう場所は、「家」という単体の建物だけではなく、それを取りまく「環境」が大切です。しかしながら、分譲地というと、事業主や不動産会社の都合で効率だけを考えて区画される場合がほとんどで、ただ単に切り売りされた分譲地の中では、決して豊かな住環境は生まれません。当社としては、開発地そのものを建築的手法によりリノベーションし、魅力ある街区として再構築いたします。開発の常識を積極的に見直すことで、街区に新たな価値を見出し、従来の戸建て開発では得られない豊かな住環境を提供いたします。
建物名称 | S-Project |
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所在地 | 兵庫県神戸市北区 |
用途 | 住宅(6区画分譲住宅) |
工事種別 | 新築 |
規模構造 | 木造/地上2階建 |
敷地面積 | 192.6㎡ ~ 278.5㎡ |
延床面積 | 104.3㎡ ~ 105.2㎡ |
竣工年 | 2019年予定 |
街区の緑地はお互いのシェアガーデン。
季節が巡る緑豊かな暮らし。
やわらかな⽊漏れ⽇が溢れ、やさしい⾵が漂う。
ひと家族では⼿に⼊れられない豊かな暮らしを
集まって住まうことで実現できます。
全6⼾が全ての空間を共有し⽣活を楽しむことが出来るように垣根を取っ払い、あたかも森の中に6⼾の家があり、そこに住まう。森の植物達が与えてくれるものはとても⼤きいと考えます。その⾃然の空間は、⼈々が本来住まうべき原点ではないでしょうか。それは⼼地よい湿度や空気感、静かに流れる⾵、⾹り。微気候と⾔われる気候が⽣まれます。その様な中で⽣活をすると、⾃然と⼈々は⼼豊かに穏やかになり、⼈と⼈とが触れ合うコミュニケーションが⽣まれます。そして⼦供たちはその環境で⼼豊かにのびのびと成⻑します。庭は住まいに⼤きな影響を与え、⼈々と共に成⻑し続けるものです。季節感に溢れ、あらゆる⾃然の贈り物を私たちに与えてくれます。
雑 ⽊ 庭
使⽤する植物は、周辺の⼭々にもある原種を主として、雑⽊類の⾼⽊から中低⽊、下草類までを植栽します。植栽当初はどうしても⾃然な雰囲気を出すことはできませんが、毎年成⻑し続けることにより姿は変わり、そこに存在する植物同⼠が共存の道を⾃然と辿ります。また周りの⼭々からは種⼦が⿃や昆⾍から⾃然に運ばれ、発芽するべき場所に⾃然に芽⽣え成⻑していきます。全てが⾃然の成り⾏きにより素晴らしい癒しの庭(林、森)は⽣まれて⾏きます。そしてそんな庭では、各々の家族が畑を作ったり、芝⽣や花を楽しんだりと、個性ある楽しみ⽅も⽣まれることでしょう。
微 気 候
植物と家はとても密接であり、様々な恩恵を与えてくれます。その中でも⼤きなものが微気候です。落葉樹を主とした植栽には、春や夏には厳しい⽇差しを避けて、冬には太陽光を⼀杯取り込んでくれます。そして強い⾵から家を守り、取り囲む空気の浄化を⾏います。夏の暑さの中、植物による放射冷却により住まいの中の空気は静かな⾵となり流れが⽣まれます。その⾵は厳しくもなく弱くもなく⼈々にとってとても⼼地よく流れる⾵となります。これらの気候を微気候と⾔います。これらの現象は境界に無機質な⾼い塀や構造物あることにより激減します。
住みごこちが良いだけではない。
住みごたえがあり、
住むよろこびがある。
家づくりはご家族にとって、⼀⽣に⼀度の⼤変⼤きなプロジェクトです。家の間取りやデザインなど悩まれることでしょう。しかしながら、⼈が住まう場所は、「家」という単体の建物だけではなく、それを取りまく「環境」が⼤切です。
せっかくの家づくりを考える機会です。⾃分の敷地の中だけでなく、まち全体が⾃分達の家だとお互いに思えるような家づくりをしてみませんか︖「このまちそのものが⾃分の家なのだ。」と思えたら、どんなに愛着が湧き、住むよろこびを感じることができるでしょう。
配置計画の⼯夫により、1宅地ごとの個別の計画では決して得られない環境がこの街区には実現されています。
すべての住⼾が南に正対する配置となっていて、各⼾が東⻄南北の4⽅向とも⼗分な隣棟間隔が得られています。
通常の1区画ごと計画ではこのような配置計画はあり得ません。
宅地開発前にこの地に存在していた雑⽊の森がリノベートされ、その中に6つの住⼾が呼応するようにリズミカルに配置されています。シンプルな形態の中に薪ストーブの煙突がアクセントととなり、家と家が⼗分な間隔を持つことで、⽊⽴ちと⼀体となった「家並み」、「街並み」の美しい場所が⽣まれています。
仕事仲間でもない。
家族でもない。
手を伸ばせばそこにいる人たち。
昔はあったご近所の関係の大切さ。
同じ価値観を持つ人たちが周りにいるなんて
最高の住環境ではないでしょうか。
⼈は社会とのつながりのなかで⽣きている。阪神淡路⼤震災があり、東⽇本⼤震災以降「⼈と⼈とのつながり」の価値を私たち⽇本⼈は再認識するようになりました。そのことを考えれば、住まいに「⼈と⼈とのつながり」が⽣み出されるような機能やサービスがついているというコトは他にはない⼤きな魅⼒ではないでしょうか。
同じ価値観を持っている⼈たちを募り、イベントや⼊居後も続く植栽管理のワークショップなどを通じて、当社がご近所の 関係性の構築をプロデュースいたします。
スペースをシェアすることで⽣まれるメリットは⼤きく、緑豊かな環境だけでなく、⾃然なコミュニティが誘発され、かつては当たり前にあったご近所の関係性が⽣まれていくことでしょう。
「向こう三軒両隣り」 昔はあったご近所のコミュニティ。⼦育て、⼦育ちを地域で⾒守るといった関係性もできていくことでしょう。⼦供たちが、⼈とのつながりの中で成⻑し、学ぶことは⼤切なことです。
そして、5年先、10年先、緑の環境が、⼈との関わりがどんどん豊かになっていく。
同じ価値観を持つ⼈が集い、思いがつながっていくことで、他では得られない豊かさが⼿に⼊れられるのです。
ここには他では得ることができない⼼豊かな暮らしがあります。
緑の環境も、近隣との⼈間関係も、⾃然素材でつくられた家と
同様に経年変化で味わいが出てきます。
年々豊かになっていく住環境。
街区には⽊漏れ⽇が溢れます。陽ざしが⽊⽴に注がれ、春は桜の花の隙間から美しい光の⽟が仰ぎ⾒え、夏は美しい緑をキラキラと照らし、秋にはやさしい陽の光が⾊づいた葉っぱを際⽴たせ、冬には空気の冷たさを感じさせる清々しい⽊漏れ⽇が街区に溢れます。⽊漏れ⽇は⾃律神経の調和に働きかけ、癒し効果があります。照りつける陽ざしから逃れたひと時の休息、森林浴にも似た爽やかな⼼地良さが毎⽇得られます。
緑豊かな街区内では、取り囲む空気の浄化が⾏われます。夏の暑さの中、植物による放射冷却により住まいの中の空気は静かな⾵となり流れが⽣まれます。その⾵は厳しくもなく弱くもなく⼈々にとってとても⼼地よく流れる⾵となります。他の街区のように、緑地が少なく、隣等間隔が狭かったり、境界塀などがある中ではこのような現象は起きません。ここの住⼈だけが享受できる豊かさです。
各住⼾には室内に薪ストーブが標準装備されています。スイッチ⼀つで便利で快適な暮らしができる今、薪ストーブのような⾯倒なものは暮らしの道具としては必要がないのかもしれません。ですが、薪ストーブに⽕をつけると⾃然と家 族が笑顔で集まってきます。ゆらめく炎には、1/f ゆらぎのリズムがあり、星のまたたきや、波、⼈の⼼拍数、⼩川のせせらぎ、そよ⾵など、⾃然現象にも多くみられ、このリズムは⼼に快感と癒しをもたらしてくれます。
「快適さ」とは何でしょうか?
⾼気密⾼断熱の家で窓を閉め切って⾼性能の冷暖房機器を使って快適に暮らす。
そうした住まいも快適には違いありませんが、
ここには現代社会で失われた本当の意味での快適さがあります。
快適さの源となる雑⽊の森は、最初は⼩さい⽊⽴ちかもしれません。
少しずつみんなで快適な環境をつくっていきませんか︖